2005.07.17

新規参入の脅威

先日、またもやこげなニュースが出ておりました。

周波数獲得にライブ名乗り 2・0ギガでデータ通信[2005.07.15]
ライブドアは15日、総務省が携帯電話向けに新規開放する2・0ギガヘルツの周波数帯の獲得に
名乗りを上げることを明らかにした。全国展開を目指している公衆無線LAN(構内情報通信網)事業と
組み合わせる形で、高速データ通信のサービスを手掛ける計画。

少々難しそうな内容にも見えますが、実はすんごく簡単な話。
要は新しい電波の周波数帯をくれ!とお国に申し出たわけですね、ライブドアが。
で、何を模索しているか?と言いますと、「携帯電話市場への新規参入」なのです。
ん?そんなの、以前SBの孫社長が携帯電話の周波数帯をくれだの、もらえないだので
ひと悶着あったじゃん?!と思う方もいると思います。が、今回のホリエモンの戦略は
それとは、明らかに質を異にしています。
以前ご紹介しました「Skype」。お試しになりましたか?
IPを使った無料高音質電話。国内はもちろんのこと、国際電話もすべてタダでかけられる
優れもの。しかも、音質は固定電話以上なので、びっくりですな。
このSkypeの端末は現在のところPCだけなのが、こまりもの。
要は場所が限定されてしまうのです。が、これはあくまでとっかかりに過ぎず、ホリエモンは
この固定端末から無線LANを使って携帯端末に音を飛ばそうと考えているのです。
携帯電話-無線LAN-アクセスポイント~IP~アクセスポイント-無線LAN-携帯電話
という図式。
こうなれば、回線使用のすべてが無料になるので、端末だけを買えばそれで事足りるのです。
これって実現したらすごい。
携帯電話の周波数帯でもなく、PHSの周波数帯でもない、新しい電波を使っての通信サービス。
しかもその媒体は無料で質のよいSkypeであるのですから、万が一こいつが成功して普及したら
彼が言うように、携帯電話企業は軒並みぶっ潰されてしまいます。
携帯電話市場というのは、総務省の許認可に守られた非常に狭い産業です。
寡占状態が続いているので、稼ぎ方も尋常ではない。そこを壊すのが新規参入です。
果たして無料携帯電話が生まれる時代は来るのか?ちょっと楽しみ。


ただ問題点もあります。
まずは無線LANの周波数帯は波長が短いので、遠くまで飛ばないのね。
つまり、一箇所の送信所から半径でどの程度までまかなえるかと言えば、
そげん飛ばないはずです。
ゆえにアクセスポイントになる送受信端末の場所がかなり必要になるはずです。
その設備投資の見合うだけの回収戦略があるのか?そこも問題。
まぁ彼も馬鹿ではないでしょうから、そこらへんは考えているでしょう。
ちょっと期待はしています。だって携帯代高いんだもんな