2005.05.08

経済ニュース報道の拙さ(2)

さて、JR西日本がやらかした大事故のお話。どの時間帯でもテレビはこぞって報道を繰り返します。
最近もっぱら見る話題は、事故そのものの話から飛び火して、「ボウリング」と「飲み会」の話題。
まぁそんなスキだらけの行動をとったJR西日本の連中が一番オマヌケなのですが。
そのほかには事故現場の状況の続報と、事故原因究明のお話ですかな。
そのあたりの報道は、警察や事故調査委員会、さらには現場での取材をしておけば
だいたいネタは取れます。
さらにワイドショー的な報道は、遺族の深い悲しみ&JR西日本への憤り。そこへ「ボウリング」ネタを
くっつけたり、事故車両に運転士が2名乗っていたけど、救援活動に参加しなかったなどの
ネタで火に油を注ぎ、視聴者の怒りを沸点まで高めます。
とはいえ。
あなたのご意見を伺いたいところですが、この2週間近くの報道内容に満足してますか?
日ごろ公共交通機関を利用する、僕ら一般ピーポーのホンネとしてみれば
「あたいが日ごろ使うバス・電車・船・飛行機は大丈夫なん?交通機関の会社自体は大丈夫なん?」
というところでしょうか?
特にJR西日本のドル箱でもある阪神地区は、私鉄競合が多いところです。
神戸~大阪の間に、平行して阪神・阪急が走っているのですよ。
福岡の方。JR鹿児島線と西鉄を想像してはいけません。あれは平行とは言いません。
博多駅と天神の地の利や場所の性格が違うでしょ。
大阪駅近くを見たことございますか?本当に本当に単なる競合ですよ。
私鉄としては新参者であるJRは民営化以降、苦労を重ねてきたことでしょう。
89年に大阪に遊びに行ったときに乗った「新快速」。今もあるけど。
特急かよ!?と思うほど、駅をぶっ飛ばしまくっていた。
以来、およそ16年・・・
激しい競争と人件費・車体軽量化を中心としたコスト削減。結果として恐怖管理を現場に強いて
給与は伸び悩み、いつしか社員たちから、社への所属意識・忠誠心を希薄化させた。。。
その結果、経営者として必要なはずである人的資源管理や組織マネジメントの拙さが露呈し、
さらには隠蔽体質が物語る企業倫理の欠落とコンプライアンスの不徹底というJR西日本の
企業体質がつまびらかになったのです。
そういう話って、細かい取材を含めて報道されてないっちゃないとね?
JR西日本のような経営方針を示す公共交通機関の会社は少なくないっちゃないとね?
先日よりミス続きだった日本航空にも、そんな取材をしたニュースは見てないばい。
雪印の取材陣も、「寝てないんだよ!」の社長の逆ギレばかり報道してなかったか?
やっぱり連日のニュースを見ていて「取材しやすい」「画になりやすい」「単純明快な」
ニュースばかりが流れている気がしてなりません。
僕らが本当にほしい情報、すなわちJR西日本のような企業体質の会社に潜む問題点は
何なのか?事故が起こる危険性は他の全国の交通機関に残っていないのか?
結局、経済・経営への知識や取材力の弱さがあるからこそ、ほしい情報がニュースに出ない。
テレビのニュースはもちろん新聞のニュースですら満たされなくなると、最後に人は
インターネットで探しに回る。。。。
実は取材に回っている各放送局やローカル新聞社の方が、人的資源管理が十分でないんじゃない?
だから知識のない取材記者ばかりが巷に出てくる。。。故にわかりやすいニュースだけが
テレビの画面に出てくるんじゃないかな?これでいいんか?本当に???


ちなみに
JR西日本の株価は、事故以降だけで20000円も下がっている。西日本旅客鉄道(株) (東証1部:9021)
まぁ当然でしょ。
ただ、下げは、このままでは終らないと思うんですけどね。
それにしても、こういうニュースも、なかなか耳にしない。大丈夫か???